休職にまつわる不安!?精神科医が不安解消のためのポイント解説

休職

休職に関する不安をこのブログで解決しましょう!

今回は 実際にご家族から来るであろう質問
会話形式にして解説していきましょう!

やや長〜いお話になりますので
目次で今抱えている不安に近いところをチェックするのもokです!

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休職の診断書が精神科医から出されたら何をすればいいの?

夫が休職の診断書を医師からもらってきました

家族としても休んでもらいたいのですが、この後どうすればいいですか?

しろすけ医師
しろすけ医師

診断書は速やかに会社に提出しましょう!

提出先は会社毎に異なりますが
直属の上司、もしくは人事部への提出が一般的です

『上司がパワハラ野郎で無理だよー』
という場合は人事部へgo

『調子が悪くて会社に提出へ行けないよ』
という方は、休職の診断書が精神科医から
出されたことを速やかに報告して
その後診断書を書き留めで会社に送ります
(書き留めにしておけば郵送したことの証明になりますよ)


 

診断書の内容は夫も最終的には見ていないようです

何て書かれているか見てから提出してもいいですか?

しろすけ医師
しろすけ医師

診断書が入っている封筒は絶対に開封してはいけません

万一開封してしまうと、
その診断書自体が無効と判断される可能性があります。

また、医療機関から診断書を受け取る際、
封筒が空いている状態で診断書を受け取ることができません。
もし内容を確認したければ、医師の許可が必要です。

診察中に主治医に内容確認するか
診察中に言い忘れた場合は
事務スタッフ経由で医師に許可をもらった上で
内容確認し、改めて封筒に入れ直してもらう

上記どちらかが基本です

なお、内容確認する際には
休職が指示された日や期間は非常に重要ですから
メモすることをお忘れなく!

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休職中は何すればいいの?

無事、休職できたのですが

夫はどのように過ごせばいいのでしょう??

また、気をつけることはありますか?

しろすけ医師
しろすけ医師

まずは何も考えず、しっかり休息しましょう

休職したら…

一にも二にも休む

◇規則正しい生活を心がける

◇野菜をしっかり、バランスの良い食事

◇軽い運動(できる人のみ)

最初に意識するのはここだけで良いです。

イメージとしたら…

電池切れ寸前のスマホは
まず充電してそのままにしますよね?
色々アップデートとかしないですよね?

人も同じで休息が必要なときも同じです

まず休む!!(大切なことなので何度も言います)

調子が悪い時に
『どうしてこうなったんだ』って
考えたって仕方ないです
正直、ろくな考えが出てきません…

時折患者さんから
『全然動けないけど、本当に大丈夫でしょうか?』
と言われることもありますが

「動けない状態になるまで働いたのだから
まず治療のために休んでください」
と私はお伝えします

何度も言いますが焦らないことです。

一定期間休むと、
『なんとなく動けそうだなー』
という気持ちが出てきます。

このシグナルは『心と体がある程度は充電できたよー』と言う意味です。
そうなったら次のステップです!


 

夫もしばらく休んで表情が柔らかくなってきました。

家族としてはほっとしているのですが、また調子が崩れないか心配です。

回復していくためには、この後どのようにしていけばいいのでしょうか?

しろすけ医師
しろすけ医師

今回の休職について、振り返りを行ってみましょう

振り返りといっても難しいことをしなくて構いません。

・なぜ今回休職に至ったのか

・復職するにあたってどんな点に注意しておけば再発しなくて済むのか

この2点を中心的に考えていきましょう

振り返りはどんな考えでも構いません

例えばですが

上司や職場の人間関係が今回の休職の原因だったなー

いや残業月80時間は体力的に難しい

そもそもコミュニケーションが苦手なのに営業って…

などなどの考えが浮かんできたとしましょう

それであれば!!

・人事部面談や産業医面談の際に部署異動を申し出る

・長時間の残業に関して相談する

・自分の得意分野と仕事内容が一致するか適性を見直す
ex) 一人でコツコツ仕事するのが得意なのに営業職をしている
※そもそも自分には無理にあるよなって気が付くことも大事

・会社が動いてくれないなら第三者機関、例えば労働基準監督署などへ相談に行く
(駆け込むぞーっていうパントマイムも可)

など

振り返りをして対策することで、再発予防にも繋がります
この流れが非常に重要です!

ただし

自分自身のことは人間なかなか客観的に見れないもの
振り返りは一人でするより
色々な人に相談することがオススメ

専門職(精神科の主治医 カウンセリング)などを利用してもよし
リワークに通所しているなら、リワークスタッフへの相談もよし

職場の先輩や同僚、家族に相談しても
客観的に貴方をみた意見をくれるかもしれません。

休職した経過は言葉にしたくないなと思うことかもしれませんが
過去に辛い!と思ったことを言葉にすることが大切な治療経過です。
ぜひ色々な方に相談してみてください。


 

しろすけ医師
しろすけ医師

精神科医しろすけから、この期間の注意点を1つ補足

薬の治療も重要です!医師の指示通りに内服しましょう

 

休職中は薬の治療も重要となってきます。(あくまで薬物治療が適応の方のみ)

調子が良くなってきたから…
この薬は合わない気がするから…

と薬の分量を自己調整される方も
時折いらっしゃいますが、それは止めましょう!
我々精神科医は必要と判断したので処方しているのです。

いくら症状が改善してきても油断は大敵です!

医師から処方された薬を
自己調整せず内服することも重要です!

精神科の薬に対して
抵抗感がある方は少なくないことは重々理解してます。
主治医と相談しながら治療していきましょう。

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休職期間中の通院頻度は?

休職中の治療についてですが、どの程度通院するものなのでしょう?

しろすけ医師
しろすけ医師

クリニック指示にもよりますが
2週間に1回から4週間に1回が基本です

指示通り通院をしてください!

通院期間は上記が目安となります。

復職する際に
会社から治療経過の報告書を求められることもあります。

治療経過の内容として
通院頻度・処方日数など
かなり細かい報告を求める会社もあるので
治療に取り組んでいなかった場合、大抵バレます

通院しないデメリットは
会社にバレることだけではありません!

治療をせずに一人で居続ける自体が悪化のリスクです。

人間は長期間一人で過ごすと
自分自身の些細な変化に気がつきにくくなります。

自分はあんまり変わってないと思っても
実は悪化していたり…
なんてことも多々あります

医師の診察によって自分の状態を客観的にみてもらう必要性は大アリです

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休職期間のお金ってどうすればいいの!?

休職中の生活が不安です

家族としても本人を傍で見守りたいので働くことも難しく…

本人・家族ともに働けないので生活費をどうすればいいでしょう?

しろすけ医師
しろすけ医師

休職中、給与の一部が補填される傷病手当金を積極的に使用しましょう

これ!これが特に大事です!

簡単に説明すると、休職してから
4日目からこの制度を申請することが可能です。

ただし
メンタルクリニックによっては
初診日からしか書けないと言われるところも少なくありません

※傷病手当金の記載に関してはコチラの記事も参考に

外来主治医に傷病手当金申請書の記載を断られることってあるの!?
病気等で職場を休むことになった際に、生活の保障となる傷病手当。医師に意見書を記載...

休職中の方を支える制度なので
もらえるものもらっておくぞ!
の精神で早めに受診しておくことも大事です
(もちろん、早期治療が大事ですよ)

傷病手当に関して
詳しく説明した記事もぜひお読みください

休職のときに使える傷病手当金とは?
病気や怪我でしばらく仕事ができなくなってしまった時、生計の維持を支える傷病手当金...
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休職から復職までにどのくらいの期間かかるの!?

休職後、復職までどの程度かかるものなのでしょう?

治療も長くかかるのでしょうか?

しろすけ医師
しろすけ医師

休職の期間や復職にかかる時間は正直人それぞれです

早い方でも2−3ヶ月、長い方は1年程度かかることもあります。

残念ながらこれに関しては
治療を開始してからでないと判断が難しいことが多いのです。

私しろすけが担当している患者さんだと、
適応障害の診断の場合は
休職期間は平均2−3ヶ月
復帰訓練に平均1−2ヶ月程度の方が多いです。
しかし、疾病や重症度によっては年単位で復職かかる方もいます。
再発を防止したいという方には
半年間リワークプログラムに参加することも選択肢としてもいいでしょう

どうしても長く休職するとなると焦りが出てきますが、
焦らず治療に専念しつつ、復職に向け徐々に進むことが大切です。

時間がかかる可能性が高いことは
本人だけでなくご家族にも受け止めてもらえればと思います。


 

当初頂いた診断書に記載していた休職を要する期間に復職できない場合

診断書は再度記載いただけるのですか?

しろすけ医師
しろすけ医師

診断書に記載する休職の期間については
2週間から1ヶ月が一般的です

その期間以上の休職を要する場合は追加で診断書を発行します。

精神科医が3ヶ月以上の長期の診断書は
あまり出すことはありません。(特殊例あり※)

『毎回お金をかけて診断書をもらうのだから、長めの期間で書いてよ』
『もっと長い期間で書いてくると聞いたことがあるのでそのようにしてほしい』
と言われることもよくありますが
精神症状の予見は熟練の精神科医であっても難しいため
私は「書けません」とお断りするようにしています

※特殊例として
学校教員の方は半年以上の長期の診断書が出されることがありますが、かなり稀な事例です。ご注意ください。

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