リストカットをやめたい…自傷行為を繰り返す本人へ止めるためのアドバイス

アイデンティティ/性の目覚め
悩む女性
悩む女性

19歳のフリーターです。

リストカットをやめたいです…

正確には彼にやめてくれって言われました。

 

自分だって止めれるなら止めたいと思っています。

でも、そもそもどうしていいのかもわかりません…

 

リストカットをしたのは13歳が一番最初です。

学校に馴染めず、誰にも相談できず
自分の部屋で小さく手首を切りました。
そのときスッと気持ちが軽くなる気がしました。

 

それ以降、辛いことがあると切るし、辛くなりそうでも切ります。

 

手首に薄い傷があるので
長袖の制服があるところでしかアルバイトができません。

 

彼とはアルバイト先で出会って、
傷も含めて好きでいてくれるのかと思いました。

 

でも先日
『こっちが苦しくなるから…』と言われて辛いです。

 

誰にも私の気持ちってわかってもらえないのでしょうか?

リストカットやめれますか?

しろすけ医師
しろすけ医師

ご質問ありがとうございます。

辛かったですね…

 

彼はあなたのことを
大事に考えてくれていると思いますよ。

 

でも
『リストカットまでは理解してあげられない』

それが本音だと思います。

 

今回をきっかけに
リストカットの回数を少なくすることを目標にしてみましょうか。

そのためにも一緒に考えていきましょう。

 

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なぜリストカットをしてしまうのか?

まず『リストカットをすること』について見ていきます。

リストカットは氷山の一角でしかなく
その見えている部分だけをどうにかしようとしても
解決することはないでしょう。

どういうこと?と思いますので、詳しく見ていきたいと思います。

意志だけでは止められないリストカット

ご相談者さんもおっしゃっていましたが…

『やめたくてもやめられない』

リストカットを続けている方は
『やめよう』『やっちゃダメ』
という思いもお持ちの方も沢山いらっしゃいます。

でもそれが出来ず、リストカットを続けているということは

周囲の人からすると
『本当はやめる気がないのでは??』
と思ってしまうかもしれません…

でも実は決してそうではありません。

本人たちは気持ち的には止めたいのです。

でも止めれないのは何故なのでしょう??

大きなストレスからの逃避や解消

止められない原因は
その人の状況によって変わってくることもあります。

ただ共通していることとしては
リストカットを繰り返してしまう人は

リストカットして逃げ出したいくらいのストレスを抱えている状態

であるということです。


そして勘違いされやすいのですが
リストカットという自傷行為をする人は

死への願望があり
そうした願望が行為として表出している

と思われがちですが、実際は異なります。

リストカットという自傷行為は

正面から受け入れることのできない
ストレスから逃げるためのストレス解消の手段

であり、言い換えれば

✅自殺しないための行為
生きるための行為

となっているので、
意志だけでは止められず繰り返してしまうのです。
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どうすればリストカットをせずに済むのか?

ストレスの原因と向き合い解消を図る

前段で
『自傷行為=生きるための行為』
とは言いましたが…

決して自傷行為を推奨しているわけでも、
それをしてもいいと言っているわけではありません。

ただ現状、
自傷行為がストレスからの退避手段として機能しているのであれば
それを止めさせようと周りが働きかけても

私の唯一の楽になる手段を取り上げないで!
今でも辛いのに、止めたら私はもっと辛くなる!
なんでその行為をわからってもらえないの?

と本人は感じることでしょう。

なので
リストカットを止めることに直接焦点を絞り

例えば
・剃刀を家からなくす
・なるべく人目がある場所にいるようにする
などをしたとしても
それだけでは一向に解決はしないでしょう。

それより
ストレス源を探しその解消に努めることを優先しましょう。

ただし…

ストレス源が解消できない問題であったり、
そもそもストレス源が自分では気づかないなど
今すぐには何もできない状況であることも考えられます。

また、原因の解消とともにリストカットが止まったとしても
また別のストレスが発生した際に、再開する可能性もゼロではありません。

そこでもう1点

リストカットに代わる
新しいストレス発散方法を見つけていくこと!

これも同時に提案したいと思います。

ストレス発散方法を新たに作る

この話をすると

悩む女性
悩む女性

他のストレス解消方法は試したけどあんまりだった…

そのように言われることが多いです。

その際、しろすけはいつも聞き返します。

しろすけ医師
しろすけ医師

ふんふん、なるほど。

でもそれ何個試したの??

その問いかけで、皆さん大体硬直されます。

そう、厳しいことを言うようですが
試す回数が少ないのです。

 

何をしたらストレス解消になるのか
5個試した人と20個試した人を比べた時
沢山試した人の方が解消方法を見つけられるのは
当然の結論でしょう。

 

しろすけ医師
しろすけ医師

リストカットが唯一の解消法ではありません。

相談者さんにとって、
今偶然リストカットが解消法の上位になっているだけ。

目を向ければ、他にも解消法はあることでしょう。

 

そう、リストカットを止めたいのであれば
『ストレス解消できる方法をたっくさん試す』という努力をしましょう!

しろすけ医師
しろすけ医師

彼氏さんに手伝ってもらうのもいいかもしれません。


前向きに頑張っているあなたを
きっと喜んで支えてくれると思いますよ!

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煮詰まった時ほど焦らずに…時にはプロに頼りましょう

よし、リストカットを一切しないようにしよう!
そのためにも、早くどうにかしたい!

人は物事を解決させようとする際、
早く解決したいという思いから焦りが出てきます。

でも、大切なことは焦らないこと

リストカットをやめなければという焦りが
またストレスになってしまっては意味がありません。

昨日は止めれたけど、今日はやってしまった…
と一進一退になることもあるでしょう。

ただ、ゆっくりゆっくりで大丈夫です。

『変えようとしている / 変わろうとしている』

その意志と行動は
自分への浸透を深めていき、また周りにも伝わることで
必ず前に進んでいくことでしょう。

ちなみに…
なんでも自分一人で解決しようとする必要はありません。
時にはプロを頼ることもオススメします。

傷跡をどうにかしたい…見ると思い出す / 傷跡が気になる場合は?

リストカットの傷跡が気になっている場合

✅人目が気になる
✅好きな服装をすることもできない

などそれが原因でストレスがかかることも。

最近はレーザー治療でリストカット跡を薄くすることも可能です。

傷跡を修復することで心の治療につながるのであれば
レーザー治療等で傷跡を薄めることをオススメします。

一生傷が残るかも…と心配しなくても大丈夫ですよ。
(この話は別回で美容皮膚科医の妹に解説してもらいましょう)

自分では答えがでない…話を聞いてほしい / 一緒に考えてほしい場合

何がいいのかわからない…
自分自身のこともわからない…

そうしたこともあると思います。

精神科やカウンセリングで話しながら
何が辛いか、何がいいのかを一緒に考えてもいいと思います。

よければ精神科や心療内科に相談してみてください。
一人で考えるよりも、複数の方が新しい視野が見つかるかもしれませんよ。

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これだけはダメ!精神科医として注意喚起!

今まで、リストカットについて触れてきました。
ただし、精神科医として最後に1つ注意喚起をしたいと思います。

それは

リストカットの傷跡や自傷行為そのものを
助けてというアピール行為にしてはダメ

ということです。


これは誤ったアピール行為の一つであり、
せっかく助けてくれる周囲の人が逃げてしまう可能性があります。

それを見た側の人間は
『あ…助けてあげなきゃ』と思うより

✅リストカットという行為をなぜしてしまうのか理解できない…という恐怖心
✅何かとんでもないことに巻き込まれるのではないか…という不安感
✅一度助けてしまうとその後もずっとその人を助けないといけないかも…という責任感

など色々な感情から『防衛反応』が出て

最初から知らなかったこと/見なかったことにしよう
助けてあげたいけど余裕がないしごめんなさい

と周りの人は遠ざかってしまいます。


人生はあまりに忙しく
自分以外の人の苦しみまで
一緒に考えられる余裕のある人は実は多くありません。

 

ここだけの話…

そうしたアピール行動をしている人を避けるため
精神科医やカウンセラーでさえ、
自傷行為をした経験のある人は診察しないとか
敬遠して他のクリニックに紹介しようとする輩もいます…
(ここの話(精神科医の選び方)はまた別の時に詳しく話しますね)

こうしたアピール行動は
最終的に自分自身を孤独にする行為なので
やらないよう注意喚起をしておきたいと思います。

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まとめ

精神科医として
簡単にリストカットをやめましょうとは言いません。

ただ、自身でも止めたいと思うのであれば

①代替えとなるストレス解消法を見つける努力をすること
②可能であればストレスの原因となっている事柄について解消を図る

の2点に取り掛かってみて下さい。

 

しろすけ医師
しろすけ医師

止めるための努力することは本人しかできないことです。
また辛く困難で、心が折れるタイミングもあるかもしれません。

ただその努力をすることで
周囲からの支援が得られることもあるでしょうし、
必要な際にはプロにもSOSを出し
乗り切ってもらえれば…

精神科医として、そう願うばかりです。

 

いつか、辛い時にリストカットしたことあったなーと
思い返せる日が来るといいですね!

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