復職のためにリワークプログラムを勧められたけど
実際どうなの? 意味あるの?
こうした質問を頂くことがあります。
そこで
復職シリーズとして
今回はリワークプログラムの有効性について説明していきます
※休職中の流れは下記記事に詳しく説明しているのでそちらをご確認ください。
リワークプログラムへの参加は有効?
参加する意味を理解し、きちんと活用すれば非常に有効でしょう!
得られるメリットも多いリワークプログラムですが
参加すれば誰でも効果がでる
というわけではないのです。
参加するメリットと、活用方法について解説をしていきます。
リワークプログラムに通うメリット
復職に向けて頑張ろうという同じベクトルを持つ人たちと過ごすことができる
休職期間中
孤独であることは復職において逆効果となることもあります。
一人でいる時間に考え込み
徐々に
『このままずっと休職になって、仕事にも社会にも戻れない』
『家族のことはどうしよう』
『貯金が底をつくかも』
という不安が
雪だるまのように大きくなっていくからです。
リワークプログラムに参加することで
『復職に向けて頑張ろう』
と同じベクトルの人がいることで、
不安が吐露できる
だけでなく
同じような悩みを他の人も抱えている
ということがわかります。
『あ、自分だけじゃない』
そう実感できることが、どれだけ力になるかわかりません。
辛い時は、時に傷の舐め合いになっても良い
(あれもこれもだめとか言われたらきつい!)
それでも、
恐る恐る前に進もうとすること
が大事です。
誰かの力を借りてみましょう。
自分自身について振り返りができる
皆さん、自分自身のことを
どのくらいわかってますか?
精神科医として
仕事をするときにこれはわかっておいておくといいな
と思うポイント
です。
休んでいる今だからこそ
自分を見つめ直し、自分を知る良い機会です。
休職したからには、その期間を無駄にしないぞ!
とマインドで、今一度自分自身を見つめ直してみましょう
生活のリズムが確立することができる
みなさん、夏休みなどの長期休み期間に
だんだん生活リズムが夜型になった経験ありませんか?
これは休職期間においても同様です
徐々に夜寝るのも遅くなる
朝起きるのもゆっくりになる方がいます
精神科医として注意して欲しいのは
生活リズムを崩さないこと
=復職するときに生活リズムを戻すという面倒なステップを自分で増やさないこと
です。
リワークプログラムに参加する
=既定の時間に通所する
となり、生活リズムを社会環境に合わせることができます。
そもそも休職すると
自分のリズムで生活習慣を作りがち
もちろん、
休むこと・治療をすること・無理をしないこと
を行っていく上では
やむを得ないこともあります。
ただ実際に復職しようとすると
社会(会社)のリズムで生活することが求められます。
例えば・・・
復職したら朝8時には起床するリズムを作る
という方の場合は
毎日1時に寝て朝は9時に起きる
というのが生活リズムは、何の問題もありません
ただし
夜中2―3時に寝て朝というより起きるのは昼
という生活リズムの方は、起きる時間を早くすだけでも非常に大変!!
※特にメンタルの疾患の場合はこうしたケースが非常に多い・・・
生活リズムの乱れ防止のためにも
リワークプログラムへの参加は有効と言えるでしょう
精神科専門医が教えるリワークプログラムの有効利用方法
とにかくたくさん失敗する/他人の失敗も共有する
リワークプログラムを開始すると
みなさん『まじめにコツコツ』
取り組んでくれる方が多いです。
これはとても喜ばしいことですが
しろすけとしては『うーもったいないなー』と思うわけです
リワークは本来、職場への復職を想定して
リワークでできる得る限りの失敗をするところ
と考えています
・通所
・人間関係
・体調管理
なんでもかんでも。
失敗し放題です!
というか失敗して!(語弊がありますが、実際の診察でもお伝えしています)
とにかくトライアンドエラーです!
・上手くいく、いかないを繰り返す
・職場で起きうるトラブルを体験しておく
ことで
『自分を知る学びの場』
とすることがとても大切だと思っています。
例えば・・・
①リワークで苦手な人がいるから、リワーク通所がちょっと辛いです
リワークは数ヶ月で卒業できるけど、
職場だったらどうでしょう?
自分が苦手な人と
コミュニケーションする練習にしてみてもよし
苦手な人のスルースキルの練習にしてみてもよし
『こうした人が苦手だな』と知り
その対策を練習できる機会です
②体力が続かないから週3参加が限界です
週4参加ができるように体力作りをしてもよし
当初週3が限界なら復職するときにも週3勤務で交渉ですね
自分の症状や体力を鑑み、
リワークプログラムにどの程度参加できるか?
で、復職の程度を測るバロメーターとして活用しましょう
③そもそも集団生活無理です
なら職場も集団生活ですから、
今後はできるだけ人と接しない職を
探していくという方針もありですね。
『あぁ自分は集団生活ダメなんだ』と
凹む必要性はありません。
自分に合った環境を探せるのも大事です。
ただ、
今後も全く集団生活しないと
いうわけにもいかない方は
『何人までのグループセッションならストレスなく話せるか』
などは把握してもいいでしょう。
などなど。
もちろん、
失敗はどんどんしてもいい!
とは言いましたが、
人を傷つけたり貶めたりすることを
積極的にやることは絶対ダメです。
※周囲の人に悪影響のある行動を
繰り返す方は、毅然な態度で
リワークプログラムへの参加を禁止します
が、そうでなければ
どんどんリワークという場を利用しましょう。
さらにだめ押しで、自分だけでなく
他人の失敗も共有していきましょう。
あ、そういうところで失敗するのか
など積極的に吸収しましょう。
誰かがつまずいたところは
今後自分が出会うことも十分にあり得ます。
自分の取り扱い説明書を作る
自分自身の振り返りとほぼ同義です。
プログラムは
あくまで手段なだけであって
結果や効果をもたらすのは、
・自分が何を学んだのか(振り返る)
を意識して取り組めるかです。
これを
意識してリワークをするのと
意識しないでリワークするのでは
効果が圧倒的に異なります。
リワークを継続していて
効果が実感できない方は
・積み重なっていることが実感できない
可能性が高いです
なら自分で作ろうよ!というものです。
『参加したこと』だけで満足するのではなく
『参加してどういうことが学べたか』が大事
自分の取り扱い説明書を作成していきましょう。
仲間を作る
一人だけでもいい
ただ、同じ目標に向けて進める人がいる
これは非常に重要です!!
ちなみに、
こうした仲間がいると
通所回数が増えたり、状態が安定しやすくなります
(スポーツジムも友達ができると通いやすくなりますよね)
何より
孤独じゃないこと
は力になります
ちなみに知り合い作りも練習です
ワンピースのル○ィみたいに、
すぐ人と仲良くなれるのは稀。
私しろすけも、正直得意ではないです。
しかし、技術として
初対面の人に警戒されずに話す・話してもらう
という練習をとにかく繰り返しました。
お陰様で、
歩く無害という印象を持たれるのか
道に迷ったとか
困ってるから助けてとか
とにかく街中でも人に声をかけられる
ようになりました。
練習は力です。(実体験)
コミュニケーションを練習し
仲間も作っていきましょう。
リワークプログラムは
運営する病院クリニックのカラーが大きく影響します。
しかし、注意する点はそこまで大きくは変わりません
上記に記載した点を意識してリワークプログラムを進めていきましょう。
今回の長めの文章でしたが、読んで頂きありがとうございます
リワークプログラムが実りあるものになりますように!