精神科あるある特集…なぜ?なんで?に精神科医が1問1答【外来編③】

病気
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精神科あるある特集について

しろすけ医師
しろすけ医師

精神科って外部の方から見ると
色々な疑問や質問を頂くことも多くあります。

逆に内部で経験を積むと
『ならでは』『あるある』も出てきます。

 

こうした疑問やあるある小話を
色々な場面を介してご紹介したいと思います。

 

✅精神科のことを知りたい方や興味がある方
✅これから関わる方

✅すでに関わっている方

 

色々な方に御覧頂き精神科のことを
少しでもイメージしていただければと思います!!

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あるある&疑問特集【精神科外来編③】

しろすけ医師
しろすけ医師

今回も精神科あるなるの中で
【外来診療について】
ご質問にお答えしたいと思います。

 

沢山のご質問を頂いているので
いくつかに分けて回答させて頂いています。
話しのつながりはないので
それぞれ別でご覧いただけます!!

 

今回も運営の裏側を良く知るゲストとして
精神科救急病院の事務で10年以上勤務していた
【たぬき氏】にお越し頂きました!

たぬき氏
たぬき氏

元精神科救急で事務をしていた『たぬき』です。

今回も、私自身の体験も交えて回答できればと思います!

※関連:前回の記事はコチラ

精神科あるある特集…なぜ?なんで?に精神科医が1問1答【外来編②】
精神科の外来診療にまつわる疑問やなぜ?なに?を集めて回答します!なんでこうなの?...

現在かかっている医師と合わない気がするのですが…

現在通院中なのですが、
どうも今かかっている先生とは合わない気がします…

 

説明がないまま薬が急に増えていたり、
先生からいつも同じことを聞かれるだけで
こちらの話をあまり聞いてくれません…

精神科は医師との信頼関係が一番!信頼できる/できないも相性の一つ
しろすけ医師
しろすけ医師

精神科は経過を見ながら治療を進めるため
最低でも一定期間は通院が必要になります。

 

そして薬を処方して飲むとしても
一定のリスクのある薬もあるので
ちゃんとした説明や医師への信頼が不可欠でしょう。

 

信用あってこその医療ですし

治療の選択は最終的に患者さん側にあるものです。

 

主治医と自身が望む治療方針が一致し
足並みをそろえるからこそ必要な情報を共有し
コミュニケーションも取れるというもの。

 

それができる/できないで

相性というのも決まると思っています。

 

もし悩まれているのであれば

医師に直接ぶつけてみてはいかがでしょう??

 

言いづらいことかもしれないですし
もし嫌な顔をされたら…と気になるかもしれません。

 

ただ命や健康を預けている身。

そのまま疑念を抱きつづけるより

 

✅医師の意図が理解できた
✅逆にやっぱりダメだった

 

など何かしら前に進む方が良いと思いませんか??

 

そこで相いれないと感じたら

他の医療機関に転院するのも一つの手段だと思いますよ。

 

医療機関は一つではありません。
自分の身を任せれる医師に
医療を受けて頂ければと思います。

たぬき氏
たぬき氏

時折、受付や事務スタッフに
主治医の変更希望の相談を頂くことがあります。

 

もちろん悩まれてのご相談とは承知しているので
希望としてはお聞きしたいところなのですが…

 

これって例えるなら
付き合っているカップルがいて
片方から別れたいから密かに手配をしてと
依頼をされていることと一緒!

 

第三者が間に入ると余計にこじれることも…

 

残念ながら主治医変更等については
事務が力になれることは少ないので
ご了承いただければと思います。

正面から攻めることもあれば、裏から攻めることも…
たぬき氏
裏たぬき氏

さて、本音を語る裏たぬきです。

 

主治医変更は治療方針の在り方も関わるため
話し合っていただくことが前提になりますし
事務スタッフも表立って関わることができません…

 

ん…表立って??
そうです。

 

真正面から行くことも大事な時もありますが
時に裏口もあるのが医療の世界…

 

裏口は特に作法や建前が大切なので
そこを抑えれることがポイントになってきます。

 

主治医変更の場合であれば
『やむを得ない理由』を作ることも
一つの方法ですね…

 

詳細は↓の関連にて!

※関連:医師との相性について / 紹介状をもらうには?

外来担当の先生との相性ってあるの?変えた方がいい?
通院をしていると、時折主治医と相性が合わない?と疑問を感じる方もいらっしゃると思...
主治医に紹介状をもらう方法は?
転院を希望する際には紹介状が必要。主治医にお願いしたら書いてもらえるの?どうお願...

受付の対応が悪いと感じることがあるのですがなんで?

いくつか精神科の医療機関へ行ったことがあるのですが
受付のスタッフの対応が素っ気なく感じることが多いです。

 

医療機関の顔でもあるので、もっと親切な方がいいのでは?

受付問題は医療機関自体の問題でもある
たぬき氏
たぬき氏

返す言葉もありません…

おっしゃる通り、受付は医療機関の顔と言えるので
どの医療機関も気をつけるよう教育はしているのですが…

 

ただこの件に関しては

受付の方に問題があるというより
医療機関の責任であり課題でもある
と個人的には感じています。

 

 

というのは
いくら教育を徹底して行っていても
最終的には人員の配置や体制に
問題が多いからです。

 

もともと医療業界は
売り上げを伸ばす施策が取りづらいため
無駄を削る施策がとられる業界

 

結果、
人員配置は【最低限&最大効率で】となり
1人1人に複数の業務を同時進行で行うことを
求められがち…

 

もちろん、業務効率化を図ることは
一企業として必要なことなので否定しません。

 

が、特にコミュニケーション等が重要である

精神科において接客・接遇の質を保つ上では
効率と余力のバランスを保つことが必須だと考えます。

 

 

でも医療機関の運営側としては

そのバランスより収支や効率性を重視し
サービスの質については個人の責任に
していることが圧倒的に多いのです。

 

どの医療機関でも

 

✅接遇や対応に丁寧さが欠ける

✅作業の遅れや作業ミスの発生

 

などサービス面での不具合は
そうしたことが一因だと言えるでしょう。

 

 

私も元事務スタッフであった身として

現場で働いているスタッフは少なからず

 

✅出来る限りサービスは良くしたい
✅気持ち良く受診して頂きたい

 

と思っている方が圧倒的に多く

自身が行っていることとのギャップに
スタッフ本人も苦悩していることは

お伝えできればと思います。

なんで診療の値段が違う?

前回診察を受けた時と今回とで値段が違うことがあります。

同じ診察なのになぜ値段が変わったりするのでしょうか??

医療行為の値段は国が設定!条件/状況が変われば値段が変わることも
たぬき氏
たぬき氏

医療機関には値札やメニュー表がないので
診察や薬の料金ってわかりづらいですよね…

 

ざっくりとした説明になりますが…

日本では『診療報酬』という制度により
医療行為1つ1つに値段がつけられています。

 

そのため、医療機関では患者さん1人1人に対し
行った医療行為と値段設定を毎回照らし合わせ
精算をすることになっています。

 

では前回と同じ診療で値段が変わった理由はなんでしょう??

 

例えば精神科の診療において考えられるのは…

 

✅診察した医師が特定の資格を持っている

✅診察時間が異なる

✅処方した薬の内容が変化した

 

こうしたことの影響により、
今までの支払っていた値段が変わることもあります。

 

どの点が変更になったのか??を知りたいのでしたら
精算時に受け渡される『診療報酬明細書』を
詳しく御覧頂き、不明点はスタッフへお尋ねください。

 

ちなみに…
『診療報酬』は2年に1度見直しがされます。

通院されている方は
自身の通院費用に影響がでることもあるので
その点ご周知下さい!

診療報酬は非常に難解!!
医療機関側でも請求できる/できないを誤ることもあるので
気になる点は自身でも確認をしましょう!
診療報酬の中の1つを例として取り上げてみたいと思います。

【薬の処方に関して:処方箋料】

①3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、3種類以上の抗うつ薬、3種類以上の抗精神病薬又は4種類以上の抗不安薬及び睡眠薬の投薬(臨時の投薬等のもの及び3種類の抗うつ薬又は3種類の抗精神病薬を患者の病状等によりやむを得ず投与するものを除く。)を行った場合 = 28点

② ①以外の場合であって、7種類以上の内服薬の投薬(臨時の投薬であって、投薬期間が2週間以内のもの及び区分番号A001に掲げる再診料の注12に掲げる地域包括診療加算を算定するものを除く。)を行った場合又は不安若しくは不眠の症状を有する患者に対して1年以上継続して別に厚生労働大臣が定める薬剤の投薬(当該症状を有する患者に対する診療を行うにつき十分な経験を有する医師が行う場合又は精神科の医師の助言を得ている場合その他これに準ずる場合を除く。)を行った場合 = 40点

③ ①及②2以外の場合 = 68点

※1点 =10円
※上記は基本文のみ
※別に注意書きが8点、通則が15点あります…

たぬき氏
裏たぬき氏

上記の例を読んでみていかがでしょう??

なんて面倒で回りっくどい言い方…と思いませんか??

各医療行為に対して
全てがこのような記載になっていて
条件ごとの料金(実際は点数)が記載されています。

 

↑の例にように
医師が薬を処方した場合をとっても、
条件によって点数が変わってくる上
その条件がとにかく細かい!!

 

これ以外に診察料をはじめ
採血や検査をしていたら
どの検査なのか/どの条件で行ったのか
全て確認しないといけません…

 

もちろん
人がすべて計算すると大変なので
自動計算ができるシステムも用いますが

最終確認はスタッフが行う必要があります。

 

✅診療報酬に関わる知識を理解しておくこと
✅今回の診療がどの条件と一致するかチェックできること

 

上記2点が正確に出来て初めて
お会計の金額を算出することができます。

 

もちろん
ミスがないよう毎回スタッフも
慎重にチェックをしているのですが
1日何十件も処理をしている中では
どうしてもミスが出てしまう可能性も…

 

診療報酬の制度が見直された年はもちろん
日々の通院費等のお支払いの際にも
気になる点があれば遠慮なくお問合せ頂くよう
ご留意いただければと思います。

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まとめ

しろすけ医師
しろすけ医師

他にも沢山質問もありましたが
今回は以上とさせて頂きます。

 

ご希望あれば、
精神科外来に関わるご質問やあるあるについて
引き続き回答をさせて頂きますので
疑問点ありましたら要望下さい!

 

たぬき氏は色々ご回答ありあとうございました!

たぬき氏
たぬき氏

こちらこそ、楽しく回答させて頂きました。

 

今後も何かあれば
事務および運営側としてお答えさせて頂きたいと思います。

宜しくお願い致します!

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