精神科あるある特集…なぜ?なんで?に精神科医が1問1答【入院編②】

病気
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精神科あるある特集について

しろすけ医師
しろすけ医師

精神科って外部の方から見ると
色々な疑問や質問を頂くことも多くあります。

逆に内部で経験を積むと
『ならでは』『あるある』も出てきます。

 

こうした疑問やあるある小話を
色々な場面を介してご紹介したいと思います。

 

✅精神科のことを知りたい方や興味がある方
✅これから関わる方

✅すでに関わっている方

 

色々な方に御覧頂き精神科のことを
少しでもイメージしていただければと思います!!

 

 

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あるある&疑問特集【入院編】

しろすけ医師
しろすけ医師

今回は精神科あるなるの中で
【入院について】
ご質問にお答えしたいと思います。

 

病棟運営の裏側を良く知るゲストとして
前回に続き、10年以上精神科救急病院の事務をしていた
【たぬき氏】にお越し頂きました!

たぬき氏
たぬき氏

外来編から引き続き入院編でも回答させて頂きます!

関連:精神科の外来通院のあるある・疑問について

精神科あるある特集…なぜ?なんで?に精神科医が1問1答【外来編①】
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本人が入院拒否して病院へ行かない場合はどうすればいい?

家族が精神科に通院しています。
状態が良くなく
通院先のメンタルクリニックから入院を勧められました。

 

ただ本人は入院を拒否していて
紹介された病院に行こうとしません…

 

通院先にも相談したのですが
これ以上対応ができないため
入院ができる病院で相談をしてくださいと回答されています…

 

どうすれば良いのでしょうか??

ご家族の治療への意志を決める

紹介を受けた入院先の医療機関にも相談をし、
入院による治療介入を優先するか、本人の意志を優先するかを決めましょう。
しろすけ医師
しろすけ医師

状態が悪く入院が必要なレベルだと
クリニックでは対応に限界が出てきます。

 

入院を拒否している理由を解消できると良いのですが…

 

時間が経過するほど状態が悪化する可能性もあるので
入院ができる医療機関に早急に相談をしましょう!

 

そして相談を通じながら
ご家族としても決めて頂きたいことがあります。

 

それはご家族としても
✅本人への治療介入を優先するのか
✅本人の意志を優先するのか

どちらにするかです。

 

ご本人が入院を拒否しているのには
理由があることでしょう。

ただし医療的には入院が必要と思われる状態…

それぞれを天秤にかけ

どちらを優先するかを決めなければいけません。

 

そのためにも
入院先にも相談をしながら

 

✅入院を拒否している原因をどこまで解消すべきか
✅本人の精神状態や判断能力の程度
✅治療の緊急性や入院の妥当性

 

について医学的な見地からも意見をもらい
意志決定を行いましょう。

 

ただし…
本人の精神症状が非常に悪く
自傷・他害の恐れがあるなど
状況が切迫している場合は
119(場合によっては110)に連絡をして
救急での入院相談を行うようにしましょう。

入院を拒否している理由をできるだけ解消しましょう。

入院を拒否する理由は??
解消できないか探りましょう。
たぬき氏
たぬき氏

入院を拒否したり躊躇するケースの代表的な理由は4つほどです。

それぞれ簡単に見ていくと…

 

①入院して会社(学校)を休むのが不安

確かに休職(休学)をすることには不安になると思います…
ただこのまま悪化しても同じ状況になってしまいます。
ご家族としては気持ちを受け止めつつも、
治療へ意識が向かえるように支援をしていきましょう。

 

②入院中の費用が心配

社会保険加入者であれば、
入院等により休職をする場合、傷病手当金が申請可能です。

 

また生命保険に加入している場合、
退院後に入院に対する保険料を受け取ることもできるでしょう。

 

更に高額療養費制度を用いれば、
医療費の支払い上限が設定されるので負担が軽減できます。

 

入院する際の費用は誰でも心配になります。
自己負担を極力減らして不安の解消を目指しましょう。

 

③入院は不要で自分は大丈夫だと思っている
医師から入院を勧められているにも関わらず
こう思っている場合、
ご本人は自分の状態に気付けていないケースも…

ご本人が治療に前向きであれば
しろすけ先生のご意見通り
医学的な意見を確認することをオススメします。

 

④入院する病棟のルールが合わない

病院/病棟によってルールも様々ですが
病棟のルールが厳しく不便に感じることもあるかもしれません。

ただ、治療に専念するには
外部からの刺激がない環境の方が落ち着くこともあります。

といっても…
入院して余計に負荷がかかるのは本末転倒です。
折り合いがつけれるルールであるか確認をしましょう。

精神科には強制入院があると聞いたのですが??

入院する場合、一般的には
本人の希望や同意があって入院をすると思います。
ただ精神科では本人の意思によらない
強制的な入院があると聞いたのですが本当ですか??

強制的な入院は存在します。

精神科には法律に則り5つの入院形態があります。
そのうち、本人の同意がない状態での入院形態も存在します。
しろすけ医師
しろすけ医師

精神科の入院は、
精神保健福祉法という法律に基づき
入院する手続きが5つあります。

 

特定の条件に該当する場合、
本人の同意がない状態でも入院となるケースもあります。

 

その場合
『強制的な入院』と言えるかもしれません。

 

ただし、どのケースにおいても
病状的に緊急的な入院の必要性があり、
かつ適切な手順に則って対応をする場合に適応されます。

詳細は以下、関連をご参照ください。

関連:精神科にある5つの入院形態について

精神科に存在する強制入院!5つある入院形態を詳しく解説
精神科にある強制入院について、どういう制度なのか、5つある入院形態はどういった条...

部屋に閉じ込められたり拘束されると聞いたけど本当?

精神科に入院をすると
『身体を拘束されることもある』と聞きました。
また、『部屋に鍵をかけられて閉じ込められる』とも…

なぜそうしたことがあるのでしょうか?

行動制限(隔離・拘束等)について

医療上の必要性がある場合、隔離や拘束などの行動制限があることも。
しろすけ医師
しろすけ医師

精神症状によっては

 

・壁に自分の頭を打ちつけたり拳で殴ろうとする(可能性がある)
・部屋の中にある物で扉や職員を殴ろうとする(可能性がある)
・他の患者様との接触が病状に悪影響となる(可能性がある)

など

 

✅自分や他人を傷つける行為を行おうとする場合
✅病状的に環境を制限をした方が良い場合
など医療上の必要がある時には
医師の判断のもと行動の制限を一時的に行うことがあります。

 

こうした行動制限を行う場合は
定期巡回記録の義務もあるため
本人の状態は適切に確認が行われています。

 

病状回復等により
行動制限が不要と判断される場合は
医師の指示のもと解除が行われます。

行動制限の適正化

行動制限にかかる委員会の実施や一時解除等による措置も行います。
たぬき氏
たぬき氏

行動制限と聞くと
入院をする本人だけでなくご家族も不安になるかもしれません。

ただしろすけ先生からもあった通り
医療上の必要性がない限りは行われません。

 

また
✅規定に基づき適正化の委員会を開催し院内で協議される
✅日中は一部解除など段階的措置が行われることもある
など
ご本人の精神症状を鑑み、
適正であるように医師・看護師の目によって確認をされています。

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まとめ

しろすけ医師
しろすけ医師

他にも沢山質問もありましたが
今回は以上とさせて頂きます。

 

ご希望あれば、
精神科に関わるご質問やあるあるについて
引き続き回答をさせて頂きますので
疑問点ありましたら要望下さい!

 

たぬき氏は色々ご回答ありあとうございました!

たぬき氏
たぬき氏

こちらこそ、楽しく回答させて頂きました。

 

今後も何かあれば
事務および運営側としてお答えさせて頂きたいと思います。

宜しくお願い

 

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