休職にまつわる不安!?精神科医が不安解消のためのポイント解説

休職
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⑥主治医からそろそろ復職可能と話が出たら何をすればいい?

担当の医師より夫がそろそろ復職を考えていきましょう

と言われたようです。

家族としては嬉しいのですが、具体的にどうすればいいのでしょう?

しろすけ医師
しろすけ医師

まずは会社へ報告し復職時の手順や環境等を確認しましょう

主治医から
『そろそろ復職も考えましょう』
と言われたら、上司や人事部に連絡し
『そろそろ復職の話が出てます』と報告しておきましょう。

なぜそこまで報告するかの理由ですが…

会社側としても

休職していた人から
『先生から復職可能って言われたので、出勤してもいいですか?』
と言われても

・本当に回復したの?
・前と同じ環境や仕事内容で大丈夫なの?
・どの程度働くことができるの?

などの疑問や
受け入れのための準備もあるので、
すぐにOKとは言えません。

『急に休んで、今度は急に復職!?』という
ネガティブな心象・感情を持たれないためにも
事前に連絡しておくことをオススメします。

ちょっとした裏話ですが…
医師側にも会社からの要望として
『本人復職させるための準備に
2週間はかかるので、お願いだから
先生休職期間ちょっとだけ伸ばして!!』
と言われることがあったりします。

そのくらい、復職には会社側の調整も必要になるもの。

私自身はそろそろ復職だなっと思った方には
上司に一報入れておいてねーとまずは指示します。

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⑦復職はどーしたら良いの!?

主治医の先生から復職可能と言われましたが、このあとは具体的にどんな流れになりますか?

しろすけ医師
しろすけ医師

復職は階段的に行うことが一般的ですが、これは各企業によって大きく流れが異なります。

正直な話
復職の流れは企業毎に異なるため
我々精神科医も毎回対応するのが結構大変だったりします…

一番丁寧な復職のプログラムの場合は

①主治医から復職の指示
②上司、人事部や産業医と面接し復職可能の判断に至る
③1週間から2週間の通勤訓練
④時短業務や軽減業務
⑤徐々に通常業務復帰
⑥出張や残業可能、業務制限なし
⑦通常業務

というのが一番丁寧なプログラムですが
全部すっ飛ばして、いきなり通常業務っていう会社もあるので要注意

人事部に『復職プログラムってあるの?』と質問してみましょう
案外ここは誰も把握してないなんてこともあります…

しろすけ医師
しろすけ医師

この記事をお読みの人事部の方は、自社の復職プログラムを確認してくださいませ。

・会社に復職プログラムが全くない!
・通勤時間に片道40分以上かかる!
という方は自主的に通勤訓練から開始してみてもいいでしょう

通勤訓練のStepは2つです

step1:電車や公共交通機関に慣れる
ste:2:オフィスに慣れる

【step1について】

公共交通機関に慣れるには…

①通勤時間に合わせて
スーツなどいつも通勤に着用する服を着て
ホームでぼーっとしてみるところからスタート
(入場券を購入するとホームにだけは入ることが可能ですよ)
②次に一駅は電車やバスに乗ってみましょう
慣れたら徐々に電車やバスに乗る時間を伸ばしていきましょう
③繰り返し会社に行く練習をしていると
空いてる電車 空いてる車両 スムーズに歩ける通勤路
が何んとなくわかってくると思います
是非宝探しのように見つけましょう

えーそんなことかよー
しろすけ先生何言ってるのーって思うでしょ?
案外みなさん無意識にやってるんですよ

毎日同じような時間に家を出て
同じ道で
同じ車両に乗って
同じような場所に立ってるんです

無意識のパワーです
無意識にできるようになったらこっちのもの

少し脱線しますが、しろすけは以前片道1時間かけて電車通勤していました。
その際に朝の東京駅で乗り換えるわけです。
通勤に慣れると人の流れ、混雑するタイミングなどが把握できるようになります。
特に何の苦労もなく東京駅で乗り換えしていましたが

数年後に朝の東京駅で乗り換えしたら
まさに鯉の川登り状態で…。通勤に慣れることの重要性をこの体験から得ました。
この通勤訓練で何人もの方が通勤できるようになったと報告してくれています。

一緒に頑張りましょう!!

【step2について】

職場も電車やバスと同じように慣らして行きましょう

最初は会社のビルが見えるだけでも
ドキドキしてくるかもしれません

ロビー独特の香りで
手に汗が滲んでくるかもしれない

あぁ、休職していた時代に戻りたいって思うかもしれません
『いつもの朝9時は家のソファーでコーヒーを飲めてたのに』って思うかもしれません

もしそう思ったら
思い出してください

『今日よりも明日はもっと楽になってるはず
そして長い人生の中では
この修行が
メンタルを鍛えてくれる
能力アップになっているのだ』

毎日仕事が終わったら
テレレテッテッテー(ドラク○)のレベルアップ音を頭の中で鳴らしましょう
(レベルアップしてるぞーと自分自身をきちんと褒めてあげましょう)

とにかく復職は階段です
つまづいたら焦らずに一つ前の階段に戻りましょう

完全にゼロに戻すと、
あなたにとってそれは『失敗経験』になることも…
しかし階段で一つ戻るだけなら、
あなたにとってそれは
『復職の進行度合いを示すバロメーター』に変わります。

これは大きな違いです!

『ああー失敗したー』より
『あ、まだここまで体力や気力が戻ってないのね、やりすぎたな』
って考える方が次に繋げようって気持ちになりますよね!

もちろん、途中で困ったことがあったら主治医にご相談くださいませ!

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⑧家族としてどうすればいいの?

家族としてどう接したらいいのかわかりません。

しろすけ医師
しろすけ医師

ご家族が休職になって、奥様が不安になるのは当然のことです。

不安は書き出し、転換を図りましょう

ご家族が休職に…このままで大丈夫なのかなど…
しかし、この不安をぶつけるかのように
ご家族が休職者ご本人へ質問を繰り返す方が少なくありません

これは患者さん本人に非常に負担となります

なぜなら、ご本人も同様に不安を抱えているのですから…

質問が悪いとは言いません、
しかし、その背景に強い不安があるのなら
一旦その不安と向き合いましょう

①まずは何が不安かを書き出す!
『これからの生活費が不安?』
『私はどうしたらいいの?』
『本当に治るの?』

②不安を具体的な行動をとるためのモチベーションに変えましょう
『これからの生活費が不安』→『得られる社会資源は使い倒そう!』
『私はどうしたらいいの』→『そもそも、どうなりたいのだろう?』
『本当に治るの』→『これは夫に聞くより、治療している担当医に聞いた方がいいな』

といった感じでしょうか
一言で不安と言っても、これだけ言い換えが可能になります

物語にも書きましたが
ご本人を質問ぜめにするなら、担当医を質問ぜめにしましょう
(ドンと来いです!)

クリニックによっては、
別途お金はかかっても
しっかりと時間を確保して家族相談を受けてくれるところもあります。
通院先のHPを確認したり問い合わせてもいいでしょう。

ご家族もお辛いとは思います。
しかし、患者さん本人も辛いのです。
患者さんにとって家は港です
安心して過ごせるところ
安心して戻ってこれるところにしてあげてください。


 

しろすけ医師
しろすけ医師

さてさて、長い回でしたが、いかがでしたでしょうか?
私しろすけが実際の診療現場で頂く質問をまとめて解説いたしました。

患者さん本人のみならず、ご家族、会社の人事部の方にも読んで欲しいなぁ。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!

 

次回は『復職のときに利用するリワークプログラムって何!?』という記事です。

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