復職の不安や焦り…恐怖心の原因は?解消法を精神科医が解説します

休職

うつ病で休職中です。正直、復職するのが怖いです。
どうしたらいいでしょうか?

しろすけ医師
しろすけ医師

復職日が近づくと不安になりますよね。
今回はそんな不安に関してご説明していきましょう。

【この記事を読んで欲しい方】
・現在休職中の方
・間も無く復職予定の方

 

 

 

今回は結論からいきます

その恐怖心は消えません

 

何か行動を取ろうとする時に
恐怖を感じたり不安に感じることは

むしろ正常反応です

 

ではその恐怖心はどうすればいいのか?

それは

恐怖や不安と戦わないこと

です

 

…戦わない??

恐怖とか不安には打ち勝たないといけないのでは??

と思うかも知れません

 

なぜ戦わなくて良いか

その理由も含め

どうすればいいのかの対策3つをご紹介します

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恐怖や不安が思考の一つであることを理解する

しろすけ医師
しろすけ医師

まずは自分の思考を観察しましょう

今私が『復職が怖い』と感じているのであれば

なぜ怖いのでしょうか?

一緒に、深掘りしてみましょう

『復職したらまた上司に嫌味を言われる』ことに恐怖を感じている

『復職したら面倒な取引先の対応しなければならない』ことに恐怖を感じている

『復職したら朝から晩までヘトヘトになるまで仕事しなければならない』ことに恐怖を感じている

なぜ思考に『』をつけたかというと

それは

あなたが抱えている思考でしかない

と理解して頂きたいからです。

『』の恐怖 = 近い未来に起こる現実

ではありません。

複数ある思考のうちの一つ
あなた自身が作り出しているもの

だということを理解しましょう

思考という虚像なので、そもそも戦う対象ではないのです



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復職は片道切符ではないことを理解する

しろすけ医師
しろすけ医師

復職したら、もう戻れない!なんてことはありません

復職前以上に頑張らなきゃ!
再度休むって言いづらいから無理してでもやらなきゃ!

復職が一度限りの、唯一の機会だと思い込み
無理をする方がいるのが事実です。

そして無理がたたって
症状が再燃したり
前より悪い状態に陥ってしまう方が少なくないのです。

実際しろすけが担当している患者さんでも、
そうした方がいらっしゃいました。

復職は選択肢の一つであり
それを選んだ後でも、選択肢は残っています。

復職して辛ければ再度休職してもいい
復職してやっぱり違うと思ったら転職してもいい

決して
片道切符ではないことを心に留めるようにしてください。

 

休職して傷病手当までもらったのに

退職していいの?

と考えるそこのあなた

しろすけ医師
しろすけ医師

して良いです!
職業選択の自由はあなたがお持ちの権利ですよ。

会社や支えてくれた上司・同僚に
恩義を感じることも大事ですが

自身の道を決めた結果、会社を退職することになったとしても
それはやむを得ないことです。

また、傷病手当等は保険制度の一環で
適切な状況下であれば積極的に利用して良いものです。
そこは気にせず使いましょう!

※ただし、この制度悪用すると
いつどこで判明するかわかりませんよ??(誰とは言いませんが…)
悪用は絶対ダメです。

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復職後の症状再燃を予防するポイント

ポイントは一つ

常に70%のイメージでいましょう

どういうこと?と思われる方もいるでしょう。

具体的には
1日の仕事が終わった時に

体力面:
もうちょっと動けるなっていう感覚
メンタル面:
緊張したし不安になったけど、帰ってからテレビを見たり家族と話す余裕があるなっていう感覚

を抱けることです。余力が残っているということを理解して頂ければ結構です。

感覚論ではありますが、
長年精神科医として勤務していると
この70%という感覚が本当に大事だと感じます

復職すると全て完璧にしようとする方もいますが
それは自ら症状再燃を招いているようなものです

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恐怖や不安の根底は??実は恥の感情を抱えている?

不安感や恐怖心に感じていたものを掘り下げると
実はその根底にあるのは

・休職してしまった自分

・復職に時間がかかってしまう自分

・家族や同僚に迷惑をかけてしまう自分

休職して復職するという
『無様な自分を』
周囲に見せることに恥じているのかもしれません

しろすけは医者です

この気持ちを受け入れてあげましょうとか

気持ちを擬人化して抱きしめてあげましょうとか

スピリチュアルなことは言いません

 

でも、もしこの『恥』を感じているのでしたら

この思考を否定しないことです

この恥の感情は抱いてしまうと
何を言われようが消すことができません

一度の人生だから
【全部を経験】とするしかないのです

人に何を言われようと
気にしないように行動しなければならない時もある

そのように捉え、今できることを一つづつ積み上げていきましょう。

決心が揺らぎそうなときの対処法

①同じベクトルを持つ仲間を探しましょう

②担当の精神科医にも遠慮なくご相談ください

③ご家族に気持ちを吐き出してもいいでしょう

①~③をしても無理だーとなったら…

禁じ手ですが

④誰々に比べたら楽という考え方 をしてみてください

しろすけ医師
しろすけ医師

人との比較は傷のなめ合いになったり、自身の歩みを止めてしまうことがあるので、しょっちゅうは使わない欲しいのですが(自分で書いておきながら…)

恥の感情を一時的に抑える時にはこれは有効です。

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自分に合う職場環境とは?受動的な姿勢では対等な立場になれない

一人の人間が生産能力を発揮し
成果を成し遂げていくには

仕事内容 / 職場環境

などが自身に合うことも必要な条件になってきます。

※例えば対人恐怖がある方に、
営業職や対人サービス業を行ってもらっても
成果は上がらず、また本人にとっても非常にストレスがかかるでしょう。

精神疾患が原因で休職している場合
実は見返してみると、

・職場チョイスの問題

・レジリエンス(忍耐力)の問題

・体力の問題

・仕事へのマインドセットの問題

ect

様々な問題がありますが

環境への不適応性が原因であることがしばしばあります。

簡単に言ったら 職場がその方の個性気質に合ってないということです

そして、このケースは
『職場を転々としている方』によく当てはまります。

ここで勘違いして欲しくないのですが

『一つの企業に我慢強くいろ』という話ではありません!!

ブラック企業は秒で退職していい!

しろすけは本気で思っています!

そもそも、自分が苦手なところで働かないというのも戦略の一つです。

自分自身に関して振り返ったり
得意不得意を把握することは
ご自分で時間をかけてやっていくしかないです

また、時に企業側と交渉して環境調整していく気概も必要になってきます

雇用されたら企業側が100%雇ったスタッフのことを配慮してくれる
というのは妄想です

社会に出ている以上、自分の身は自分の責任で守る必要もあるため

復職するにしろ
転職するにしろ

自己分析を行うこと
企業のことをきちんと知り交渉すること

この作業に時間をきちんと取ることをオススメします

参考までに、

自分に得手不得手がわかったことで
人生が大きく変わった患者さん
(個人が特定できないよう一部変更あり)

のお話を一例としてあげておきます


当初その方は学校の先生と勤務していましたが
とにかく親御さん対応が苦手で休職と復職を繰り返しました

リワークプログラムに参加しても
本人は真面目に通所しますが
どうも女性の利用者さんからの評判が悪い

理由を聞くと

『ストレスの解消方法などで下品なことをいう』
『指輪をつけ忘れただけなのに、離婚したのですかと質問してくる』などなど

本人に悪気はなく
ストレス解消を聞かれたから答えただけ
いつも着用している結婚指輪がないから質問しただけ

うーむ、困った
コミュニケーション能力の問題を解決しないとなと思っておりましたが

ある日 スタッフミーティングでこんな報告が上がりました。

 

『〇〇さん、数字に強いです。それもどんでもなく。グラフの分析も得意です』

 

他のスタッフも首を縦に振っています。

およ!そんなこと全く知らなかったぞ!

これは?と思い、
リワークに合わせて統計や株についての勉強本をお渡ししてみました。

アレヨアレヨという間に本を読み終え、

僕はこっちが得意でした!

とあっさり退職届を学校に提出され
現在はトレーダーとして生活されています。

正直しろすけの何倍かもわからない年収を得ているようです。

時折アポもなくクリニックに遊びにきてくれます。


この話で言いたいのは

合わない場所は合わない!

自分の得意不得意は思いもよらないところにあるかもしれない

見つけるには多くのものにトライするしかない!

ということです。

トライアンドエラーを繰り返せるか

見つけるまで続けられるか

これが勝負どころなのです

 

あなたは今

トライアンドエラーの最中です

恐れず進みましょう

しろすけ医師
しろすけ医師

以上、
復職への不安や恐怖心について、根底にある思考や感情を交えてお話をさせて頂きました。

平常時でさえ、なかなか自身の感情や思考の根底には気づくには時間がかかるものです。
休職中、また復職を考えるには、まずは自分を見つめることがとても大切だと、しろすけは考えています。

 

このコロナ禍により、休職して悩まれている方が沢山いらっしゃると思いますが、主治医や家族、友人はそうした支援をしてくれる大切な方々なので、ぜひ焦らず頼って頂き、一歩づつ前に進まれていくことを、一精神科医として心より願っています。

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