子供が来年中学生になります。
中学に入ったらスマートフォンが欲しいとずっと言っています。
今は小学生でも子供用の携帯電話を持っている時代。
ダメと言っても、いつかは持たせなければとは思いますが…
携帯電話でいじめにつながったり、
ずっと勉強せずゲームばかりしていたらと思うと
不安で仕方ないです。どうしたらいいでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
お子さんの携帯電話の問題は、
どの親御さんも頭を悩ますところですよね。
一緒にどうすればいいのか見ていきましょう。
ルールを決めれば持たせても大丈夫??
はじめに…
携帯電話そのものは
あくまで通信するツールなのでそれ自体に善悪はありません。
なら子供に持たせる際には何故不安が出るのでしょうか?
それは、『使い方』によっては悪影響が出る可能性があるからです。
そう問題なのは『使い方』
そのため子供に渡す際に
自由に使い過ぎないよう
・SNSで見知らぬ人と連絡は取り合わない
・危険なサイトや18禁にはアクセスしない など
『使い方のルールを作って渡しましょう』
と解説するブログやHPを見かけます。
ただ果てしてこれでうまくいくでしょうか??
答えはNoで、実際はこうしたルールは役に立たないことが多いです。
その理由としては
親の目の前だけで携帯電話を渡すのでしょうか?
危険なサイトって誰が判断するのでしょう?
万一アクセスしてしまったとしても親はその場で気づくことができるのでしょうか?
つまり、管理すること自体が難しく
ルールがルールとして機能しないのです。
また無理に管理しようとすると
『管理されていること』自体に不満やストレスを抱く可能性も出てきます。
ではどうすればいいのでしょう?
携帯電話を渡す時のポイント
管理するより機能制限で
携帯電話は
うまく使えば学習や勉強の助けになりますが
使い方を誤れば犯罪やいじめ、他者の名誉毀損等のリスクにも繋がります。
そうした失敗がないよう
正しい使い方を教えていくことが大切ですが
使い始めは特にそうしたリスクは抑えるべきもの。
そのためにも、ルールで管理するより
機能を徹底的に制限した携帯電話を選ぶようにしましょう。
最近の携帯電話はゲームやSNS、
アダルトサイトなどの閲覧を完全に禁止することが可能です。
またお子さんが使用したwebサイトの
確認ができるスマートフォンも発売されています。
これからは携帯電話は必須の時代
持たせる時が必ず来るのであれば
リスクがあるから『持たせない』のではなく
『リスクのない使い方』をいち早く身につけさせるのが得策といえるでしょう。
使い方を学ばせながら、
身についた段階で機能の制限を解除していくことで
渡す親も使い方を教える責任を全うすること
一部のサイトで
『スマートフォンを持たせることでメディアリテラシーが学べる』
という記述がありましたが、これには半分同意し半分は首をかしげます。
確かに、スマートフォンを持つことで
多様な情報を閲覧したり情報発信できる機会が増えるので
リテラシーを学べる機会は増えると言えます。
ただ大人ですら
例えば匿名というものに守られた場合、
人を平気で傷つけたり罵るような言葉を使ったり
一見解をあたかも真実かのように語ることもあるのが実態です。
スマートフォンそのものがリテラシーを教えてくれることはありません。
受動的に得るものではなく、使う人が能動的に学ぶものと言えます。
そしてその
『能動的に学ぶ』という部分を教えるのが
渡す親の役目とも言えるのではないでしょうか。
渡すだけ渡して『使い方を注意してね』と言うだけでは、
自分の責任を放棄し、子供に押し付けしているのと変わりません。
親子でする携帯電話の練習法
最終的に子供自身がスマホを自己管理して
適切に使っていくためには、メリット・デメリットを把握し
リスクを抑える教育が必要です。
情報検索と情報の信憑性を確認する練習
情報をすぐに調べれるのは
スマートフォンの良さですね。
・行きたい場所への経路
・花の名前
・レストランの評価 etc
今の時代はなんでも1~2分ですぐに結果が出てきます。
ただ
【出てくる結果 = すべてが正解】ではないのがインターネットの世界です。
・どのwebブラウザを使うと良い?
・どのwebアプリケーションを使うと良い?
・検索表示された情報の信用性は?
ということにも注目し
【正しい情報にアクセスできること】が求められます。
子供に正しい検索スキルを身に着けてもらうためには…
どんな題材でもいいで
『○○について一緒に調べようか』
『調べみたらどこからの情報か教えてみて』
という練習を親子で繰り返しましょう。
✅複数のHPを参考にして、意見の違いを調べることはしているのか?
✅情報発信日や更新日が最新のものか?
✅引用元のデータや情報が適切なものか?
など
調べ方や情報の信頼性を確認する癖
を教えることも大切なことです。
親が地図を持っていなければ
子供必ず迷ってしまいます。
そのためにも、
親も適切な知識をもつことを心掛けましょう。
使用するアプリを判断する練習
電子マネーや交通系ICのアプリ
SNS等コミュニケーション関連のアプリ
各企業のサービスを使用するアプリ
スマホの機能を拡張するアプリ etc
利便性を高めるための色々なアプリケーションが存在します。
もちろんこうしたアプリはとても便利ですが
悪意をもって作られたアプリケーション
課金の仕組みが巧妙なアプリケーション
というのも世の中には存在します。
そのため使うアプリはしっかり品定めしないといけません。
インストールする段階では無料のものばかりなので
つい『無料』と言う言葉に油断し安易にインストール&使用をしがちです。
子供が使用するアプリについては
アプリの作成元 / 使用目的 / 仕様 / 機能の範囲 / 個人情報との連携の度合い
などを当初は親がしっかりと確認し、判断基準を子供にも教えていくようにしましょう。
スマートフォンですべてを完結させない練習
スマートフォンはコミュニケーションツールの一つだけでなく
色々な便利機能を備えるものに進化してきています。
今やスマホがあれば日常生活を過ごす上で困ることはほぼないと言えるでしょう。
ただし日常生活を過ごすためにスマホが必要かというと
そうではありません。
・メールや電話でコミュニケーションをする
・スケジュール帳で自分の予定を把握する
・公衆電話で相手に電話をする
など、スマートフォン以外でできる方法も沢山存在しています。
スマホはあくまでツールの一つ
それに頼り切っていると
・電池が切れた
・電波が届かない場所にいる
などそのツールが使えないときに何もできなくなってしまいます。
そうしたことにならないよう
スマホ一つですべてを完結させない練習も必要です。
例えば
・公衆電話で電話をかける練習
・路線図を見て切符を買う練習
・地図を見て自分の現在地とどこに向かっているかを把握する練習
そうしたことも別で学ばせるように心がけましょう。
携帯電話の普及率
最後に参考程度として、携帯電話の普及率も見てみましょう。
内閣府が令和2年に発表した
「青少年のインターネット利用環境実態調査」を参考にすると
学年 | スマホ利用率 |
小学生 | 37.8% |
中学生 | 82.3% |
高校生 | 99.2% |
という数値が見られます。
小学生の段階では習い事等
一人での行動が出始めることをきっかけに
連絡の手段や居場所把握を目的として持たせる傾向のようです。
ただ中学生以降は家族や友だちとのコミュニケーションが目的となり
所有率もかなり高くなるようです。
あくまで一調査の結果ではありますが、
NTTなどが過去行った調査結果等と比較しても
大きな数値の違いが見られないため、
『子供でも所持するのが当たり前の時代』になっていると言えるでしょう。
『いつ渡す』よりも『どのように適切な使い方を教えるか』
親の責任のもと、しっかりと考えていきましょう。