精神科あるある特集について
精神科って外部の方から見ると
色々な疑問や質問を頂くことも多くあります。
逆に内部で経験を積むと
『ならでは』『あるある』も出てきます。
こうした疑問やあるある小話を
色々な場面を介してご紹介したいと思います。
✅精神科のことを知りたい方や興味がある方
✅これから関わる方
✅すでに関わっている方
色々な方に御覧頂き精神科のことを
少しでもイメージしていただければと思います!!
あるある&疑問特集【精神科外来編②】
今回も精神科あるなるの中で
【外来診療について】
ご質問にお答えしたいと思います。
沢山のご質問を頂いているので
いくつかに分けて回答させて頂いています。
話しのつながりはないので
それぞれ別でご覧いただけます!!
今回も運営の裏側を良く知るゲストとして
精神科救急病院の事務で10年以上勤務していた
【たぬき氏】にお越し頂きました!
元精神科救急で事務をしていた『たぬき』です。
今回も、私自身の体験も交えて回答できればと思います!
※関連:前回の記事はコチラ
精神科ってどこで受診しても同じ??
メンタルクリニック・精神科病院は調べると
沢山ありますが違いはあるのですか??
医療機関はボランティア団体でもなく、
一企業でもあります。
経営を存続させていくためには
裏では売り上げのことも考えており
サービスとのバランスを決め
運営の方針や体制が構築されています。
✅予約を沢山とって診療時間をかけない
✅処方日数を短くして来院回数を増やさせる
などにより売り上げを上げようとする
医療機関はゼロではありません。
こうした医療機関と丁寧に診療をしている医療機関
もし自分が受診するなら、どちらに受診したいですか??
医師も自身の診療スタイルは持っているものの
勤務医は『サラリーマン』でもあるので
勤めている限りは会社の方針に従うもの…
一般の企業と同じく
『会社の方針がサービスにも影響している』
ということは意識いただければと思います!
精神科の医療は大きく分類すると
①外来診療
②訪問診療
③精神科リハビリ
④入院診療
⑤その他診療(オリジナルのもの)
の5つに分かれます。
①~⑤のうち
【やっていること/やっていないこと】
【強み/弱み】
が医療機関ごとに異なります。
また診察をしている疾患や対象年齢なども
医療機関によっては強味/弱みがでることもあります。
例えば…
✅認知症の治療に強い
✅不眠の治療に強い
✅アルコール依存症の治療に強い
などの特徴がある医療機関があったりします。
また精神科の医療機関は
全般的小児の精神や発達障害関連の対応できる
医療機関は多くありません。
受診するのであればまずは
医療機関そのものが得意としていること
を知った上で受診することも大切なことでしょう。
裏話として…
私が医療機関に勤めていたとき
『ここには通院しない方がいい』という
精神科のクリニックや病院はいくつかありました。
こうした話は医療機関に従事する人しか
耳に入ってこないのかもしれませんが…
✅経営者が裏で…
✅非常勤しか雇っていなくて主治医の概念がない
✅技量のない医師しかいない(雇用体制ができていない)
などなど
あそこにかかると余計悪化する…
と内々で言われる医療機関が実在しうるのが
医療の世界でもあります。
また
✅有名な医師を雇用して広告塔にする
✅本を出版したりメディアに出て知名度を上げる
集客を図る目的で
医療機関でもこのような一手を打つこともあります。
もちろん、広告そのものが悪いわけではありませんが
有名で認知度がある医療機関 = 良い医療機関
というわけでもありません。
結局のところ、
人材・スタッフが医療の質を決める一番の要因です。
✅ちゃんとした人材を雇用している
✅教育体制や管理体制がしっかりしている
そうした部分も医療機関の尺度として
通院する皆様にもご覧頂ければと思います。
※関連:精神科の医療機関を選ぶポイントについて
医師の力量って異なるのですか??
精神科医って力量の違いとかで
治療も変わってくるのですか??
これをいうのは気が引けるのですが…
✅臨床医(診療を行う医師)に不向きな方
✅明らかに勉強不足だと感じる方
✅診療や処方内容に疑問を感じる方
というのは同じ精神科医でも見かけます。
そうした精神科医が世の中にいて
平然な顔で診療をしているのは事実です。
精神科も医師選びはとても重要!
患者さんやその家族も、
いい意味で医師を見極めようと努力をするようにしましょう。
『医師に任せておけば大丈夫』
そう思って何もしないのは
治療を選択できる権利を放棄するのと一緒です。
この先生は信頼できる!と思える方を
まずは見つけるようにしていただければと思います。
私が良く覚えている例をご紹介しますね。
私が勤めていた医療機関に初診で来た患者さん。
別のメンタルクリニックからの
紹介状を持参しいらっしゃいました。
【感情が不安定で落ち着かない】ということで
てんかんの薬と抗精神病薬、睡眠導入剤を合わせて
6種類処方されていた方。
来院してすぐ
『診察までまだ待たないといけないの?』
『予約した時間過ぎてるし意味ないんじゃん!』
『これ(予診票)書かないといけないの?』
『全部先生に話すからすぐ診察してよ!』
とイライラした様子。
診察後の会計でも、なかなかお待ち頂けず…
ただ転院後、処方の内容も徐々に変わり最終的には2種類へ。
そして、本人も見る見る様子が変わり、
受付で笑顔すら見られるように…
医師曰く、あれは薬に煽られていただけで
本来の人格は明るく人当たりも良い方とのこと。
その後はしばらく通院は続いたものの、
半年後には必要時のみ来院となり、無事終診へ!
最後には『ここに来て良かった』と
先生と医療機関へ感謝を頂き、帰られていきました。
医師が変わればここまで変わるんだ…と
感じると共に、逆に医師次第では…とも思った瞬間でした。
もちろん、
この一例以外にもこうした事例は沢山あります。
そしてこの方々は
【偶然】当院を紹介され無事回復に至れましたが
もしあのままだったら??
医療は
✅どこでも平等に技量があり患者を救ってくれる
✅絶対良くなる
と保証があるわけではありません。
偶々、偶然ではなく
【知る / 調べる / 選ぶ努力】をすることで
納得できる医療を受けることをオススメします。
精神科って薬を必ず処方されるのですか??
精神科って薬での治療が多いと聞きました。
ただ一方で
『薬は副作用がひどい』『薬は飲まない方がいい』
という意見もインターネットで見かけます。
また体験談を見ていると薬への抵抗感も出てきます…
やはり薬は飲まないといけないのでしょうか??
薬の処方に関しては患者さんとも話し合って決めます。
基本的に特定の症状があり
抑えた方が良い場合は医師側は服用を勧めます。
が、おっしゃるとおり
依存性の高いものがあったり副作用が出るものもあり
デメリットがあることは否定しません。
そのため薬を飲むメリットとデメリット、
両方を説明し最終的には患者さんの意思を確認します。
ただし…
薬の処方は精神科の医療において一般的なもの。
というのは辛い状態をそのままでいるより
薬で少し楽になった方が前に進むことが多いからです。
『辛い時期は一過的に利用し、後から減量する』
そうした使用法もあって良いと思っています。
また、器質性の疾患だと
薬を飲み続けることで症状が抑制されます。
そのため
薬を飲むメリット / デメリット
裏返せば飲まないメリット / デメリット
を知り治療の選択をされると良いと思います。
『絶対薬は飲みたくない』と決めている方の場合は
薬の処方をしない方針をとっている医療機関を
受診されると良いでしょう。
医師であるしろすけ先生からは言いづらいと思うので
敢えて私から小声で失礼します。
精神科の薬は副作用もありますが
処方設計が上手な先生は、薬の調整も非常に上手で
デメリットを感じている方も少ない傾向です。
逆に
・処方設計が残念な医師がいる
・なんでも薬で解決しようする医師がいる
そのことがアンチ薬派に拍車をかけている節も…
まとめ
他にも沢山質問もありましたが
今回は以上とさせて頂きます。
ご希望あれば、
精神科外来に関わるご質問やあるあるについて
引き続き回答をさせて頂きますので
疑問点ありましたら要望下さい!
たぬき氏は色々ご回答ありあとうございました!
こちらこそ、楽しく回答させて頂きました。
今後も何かあれば
事務および運営側としてお答えさせて頂きたいと思います。
宜しくお願い致します!